資金繰り表について
「資金繰り表」とは、現預金残高の推移を示すもので、過去の資金繰り状況を示す「資金繰り実績表」と未来の資金繰り見込みを示す「資金繰り予定表(予測資金繰り表)」に分けられます。
事業計画書として重要なのは、当然未来を示す「資金繰り予定表(予測資金繰り表)」です。
実際には、過去3ヶ月程度の実績資金繰りと未来9~12ヶ月程度の資金繰り予定表を組み合わせた形になることが多いです。
「資金繰り表」により、事業計画から予測する具体的なキャッシュフローを示します。
例えば、5月20日に設備を購入したいが、手元資金で購入してしまうと現預金が減り、資金繰りが難しくなる若しくはショートするところ、融資を受けることによりそれが回避でき、さらに設備購入により売上確保に繋がり、現預金残高を増やしていくことができ、返済も問題なくできるということを数字で示します。
資金繰り表と損益計算書を混同してしまう方が多いですが、資金繰り表と損益計算書の最大の違いは、損益計算書は「発生主義」に対し、資金繰り表は「現金主義」で作成する点です。
例えば、売上が上がり売掛金が発生した場合、損益計算書では売上を計上しますが、資金繰り表では、売掛金がいくら上がっても、実際の入金が起こる迄はは資金繰り上の収入はゼロです。入金されたタイミングで計上されます。
支払いについても、例えば、支払手形を切っても多型期日になって実際に当座口座から落ちる迄は、資金繰り上の支出はゼロになります。また、減価償却費のような会計上のみの処理で、実際に現預金が動かないものは、一切資金繰り表には反映されません。
一方で、融資の返済などは損益計算書には示されませんが、資金繰り表では財務支出として記載します。
このように、資金が入ったか出たかの入出金ベースで作成しますので、損益計画では表現できない具体的なキャッシュフローを示し、より事業計画の具体性を示す効果があります。
「資金繰り表」などと言うと、難しい資料なのではないかと身構える方もいますが、会計知識がある程度必要な損益計算書よりもはるかに単純な資料であり、ただ入金と出金を示す資料ですので、お小遣い帳とまったく同じです。
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